IPアドレスを個人情報についてのお話。
多くの人はIPを特定されても困らない
「IPアドレスを特定されると名前や住所を知られてしまう」
そんな言葉を耳にしたことがあると思います。
ですがインターネットを良識的に使用している場合、
IPアドレスを知られたからと言ってあなたにとって悪いことは起きません。
というのはIPアドレスから住所や氏名などの個人情報を割り出すには
それなりに条件が整わないと難しいからです。
IPアドレスから個人情報を得るための条件
IPアドレスはインターネット上の住所と言われることが多いため、
IPアドレスを特定された ≒ 住所を特定された
といったような現実世界の感覚に引っ張られがちですが実際は違います。
ipアドレスのみを使用して分かる個人情報といえば、
あなたがどの回線を使用してインターネットと通信をしているかということです。
仮に士農工商のような身分制度が現在も続いており、
侍ネットは武士専用回線で、
田吾作コミュニケーションが農民専用回線などどいう、
野蛮な回線提供が行われていればipアドレスからその人の職業まで割り出せますが、
幸か不幸か現在の社会は資本主義の原理が働いています。
市場競争の下、個人は好きな会社と契約してインターネットに接続しているため、
- どの会社と契約しているか
- 都道府県レベルの大ざっばな位置情報
くらいしかipアドレスからは割り出せません。
ではなぜipアドレスから個人情報を特定するという言説が出回るのでしょうか。
以下のようなケースがあるからです。
- 契約会社の協力を得られれば契約情報から住所・氏名などが分かるから
- ipアドレスを手がかりに別手段で個人情報を調べることができる場合があるから
契約情報から個人情報を得る
SNSなどで誹謗中傷を受けた人が、「法的措置を取ります」と言っているのを目にしたことがある人も多いと思います。
これが契約会社の協力を得て個人情報を得るパターンです。
契約会社もみだりに契約情報を公開する分けにはいかないため、基本裁判を経て情報を開示する形になります。
2022年の10月に新法が施行されいままでより法的手続きが簡便になるようです。
契約Watch「【2022年10月1日施行】プロバイダ責任制限法改正のポイントを解説!!」2022年7月22日取得
ipを手がかりに別手段を使って個人情報を得る
仮にあなたのipを知っている人があなたのsnsアカウントも知っていると仮定します。
そのSNSに以下のような投稿があれば個人の特定の粒度が上がります。
- 校章や制服の移った写真
- 特徴的な建物や風景の写真
- 台風や地震・大雨などの気象情報
話を分かりやすくするために今回はすでにアカウントが知られている前提でしたが、特定者に目的と執念があればipによる大雑把な住所情報からアカウントを特定することも可能です。
ipを知られたらまずい人の特徴
以上の事からipアドレスを知られるとまずい人の特徴は以下の通りだと思います。
- ネット上で誹謗中傷を行っている
- SNSで個人情報を載せてしまっている
最後に
このことから、詐欺広告で出てくる
「あなたのIPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXXです。 48時間以内に支払いが確認できない場合は法的措置うんぬん」
は、でたらめだとわかりますし、
ネット上で恨みを買うととんでもないしっぺ返しを食らう可能性があるということも分かります。